星空つづり

星空・天体写真などの記録を綴るブログ

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2014.01.28 Tuesday

EOS M 用に赤外線式リモコンレリーズ改造型バルブコントローラ製作

新型M2が出て、先日値落ち底値っぽい型落ちとなったCanon EOS M を手に入れ、星撮り用にも快適に使えるようにするため工作を始めた。

Mの問題点はバルブ撮影。一般的に星撮りでよく使うインターバルタイマーリモコン(有線レリーズ)が接続できない点だ。
とはいえ、IR(赤外線)リモコンレリーズ、例えばRC6(2500円程度)や互換モノの500円くらいであるものから、リモート撮影は可能だ。これらのリモコンレリーズは、あくまで手動でシャッターを切るためのモノで、バルブにも対応しているが、時間の制御が出来るモノが製品としては売っていない。

ないものは作れ!
ということで、赤外線式のRC6リモコンを一部流用して作ることにした。

まず最初に考えたのは、RC6と手元にあったTC-80N3タイマーリモートコントローラの組み合わせ。
以前作成した有線式バルブコントローラの際に分かっていたことだが、TC-80N3の場合、バルブ時のシャッター信号は常にONの状態で、OFFになるとシャッターを閉じるという仕組み。赤外線でのバルブ時は、カメラの仕様でON&OFFでシャッターを開き、もう一度ON&OFFすることでシャッターを閉じる動きとなるため、TC-80N3をそのまま制御装置として使うことはできない。
そんなことで制御部分はどのみち一から作るしかないようだった。


星景写真や星夜など星撮りで個人的によく使う露出時間のパターンはさほど多くないことから、今回は液晶画面の搭載はやめ、ディップスイッチのように複数のスイッチのフラグパターンで露出時間を決めるやり方でいこうと考えた。液晶表示装置をやめることで圧倒的な省電力化ができそうだ。

露出時間のパターンは、比較明合成用でよく使う6秒、12秒、あとは星夜撮りで使う30秒、60秒、120秒、180秒、300秒、の以上8パターンとした。これだけなら3ビット、つまり3つのスイッチがあればパターンを確定できる。

インターバルは二種類固定で、比較明合成用の短い露出では1秒以下、あとは数秒を設けることにした。

制御はPICマイコン、今回は家にいくつか買い置きしているPIC12F629を使う。アセンブラでザッとコード書きして実テストで確認・調整するパターンだ。

まずは回路設計と部品の確認



今回の要は、RC6がきちんとコントロールできるかという点だが、今回の製作の仕組みはいたって簡単。RC6のシャッターボタンを常にONにしている状態で、ボタン電池と同じ3V電源を外部から供給しON/OFFさせてやるというもの。

ということで、RC6の分解と簡単なON/OFFテストを回路組の前に実施。



ボタン電池を抜いて、カッターで表面のシールを剥ぐ。



すると基板が見える。



さらにこの基板を横から丁寧に浮かせてはぎ取る。浮かせるためにカッターを深く入れると回路を傷つけるので慎重に。



無事分解。



基板のシールが貼ってあった側は、導電性のフィルムが基板にくっつくことでシャッターが切れる仕組みになってるようなので・・基板上の「おなかの小腸」のようなところを適当なものでショート状態にしてやるだけで常にスイッチが入っている状態を作れる。



セロテープで鉛線を貼っただけ・・そのままでも良さそうだが、テスト組みが終わったら最終的にはハンダで塗りつぶすことに。



次にボタン電池の+/-に適当なスイッチ経由で乾電池(3V)電源を接続。
カメラに向けて短時間電源ONするとちゃんとシャッターが切れることを確認。
※カメラはIR受信できるモードにしておかないと反応しません

次は、PICへのプログラム投入。



アセンブラで書いた制御プログラムをPICライターで書き込んだら次は回路組み。



仕組み的な説明をすると、冒頭に書いた3つのスイッチと露出スタート&ストップスイッチ(スイッチ類はテスト回路上ジャンパーで代用)がPICへの入力。逆にPICからの出力は、露出時点灯のLEDランプとRC6を制御するためのシャッター信号としている。
RC6に合わせてこの回路自体も3V駆動させているが、PICのポート出力電流を直接RC6に送っても動作が不安定になるので、PICからシャッター出力信号が出る先にトランジスタのスイッチング回路をかますことで、コントローラ電池から電力を直接RC6に送るようにしている。

部品点数的にはとても簡易だ。

この状態で制御確認しながら、PICプログラムの修正やチューニングを行ってとりあえずテスト回路ベースでは完成となった。

あとは、これらの部品の基板付けののち、スイッチ類とともにケース収納となるのだが・・
完成品がコレ。ハッキリ言ってデカイし外観悪すぎ!
中身はスカスカなのに、ケチって台所にあったタッパケースを使ったためだ(笑)
機能そのものにはある程度こだわるが、自分しか使わないものだと思うと外観には仕上げに力が入らないがモロに性格が出ている。



使う時は、赤外線なので離れていても使えるが、暗闇で変な場所にも置けないので、カメラのアクセサリーシュー付けの雲台に取り付けして使う予定。そのため写真では見えないがバルブコントローラの底面にカメラネジの受けを設けている。



5Dは有線リモコンでやるので使うことはないが、一応ちゃんと動作。
RC-6の赤外線リモコン自体はほとんどのキヤノン一眼対応なのでそのまま使えるって寸法。

ところで、コレを作って完成させた日に、小豆島の星仲間のんかさんからメールを頂いて、バルブ制御やインターバル撮影ができるEOS-Mで使えそうなファームアドオン(Tragiclantern)があると教えてもらった。のんかさんが新品EOS-Mにそれをぶち込んだところ、そのあたりの機能は使えるとのこと・・・強者過ぎる。
ということで、そんなもんあるなら作らなくてよかったじゃん。というところがオチだろうか(笑)
ただ、のんかさんのブログで紹介されている参考サイトにもあるような障害事象、現状二分の一ほどの確率でIS付きレンズでシャッターが切れないというのは普段撮りにも使う私としてはちょっと二の足を踏むところ。
とはいえ、このあたりの対応ができればぜひ使ってみたいファームアドオンなだけに、機会を見て試用&検証したいところだ。

とりあえず今回のバルブコントローラ、せっかく作ってやったのでしばらくは使ってやるとしよう。

最後に全く別話題。
先日注文していたEOS M用のバッテリーグリップが届いた。
とにかくEOS Mの内蔵電池で星撮りなんか長くはできないことから買ってみた。



これが取り付けてみるとなかなかいい。
バッテリーが長持ちするのもありがたいが、取っかかりの少ないボディーを片手で持っていると落としそうで怖いし、ブレやすいし、いつもとはいかないが場合によってはこのフォーメーションもいいかも。
グリップ底面にはカメラネジも切ってあるのでそのままカメラ三脚に載せられる。



EOS Mでバッテリーが気になるならお勧めの一品だ。

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