星空つづり

星空・天体写真などの記録を綴るブログ

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2012.06.18 Monday

BackYardEOS を試す(導入・撮影編)

BACKYARD EOS という Canon EOS用の天体写真撮影コントロールソフトを試してみた。
日本国内では、まとまった紹介例が皆無(記事執筆時点)のようなので海のものとも山のものとも思えない感じだが、本家サイトを見ていると・・・
・撮影コントロールが複数セット&バッチ撮影できて便利そう。
・保存ファイル名に撮影時カメラセンサー温度、ISO感度設定情報などを自動刻印できそう。
・ピント追い込み支援機能がイケてそう。(スチルなのでライブビュー機能のないEOSでも)
・ドリフト法でのアライメント支援機能で極軸追い込みができそう。
・ライブビュー映像をAVI保存できるらしいので、月や惑星撮影に使えそう。
・PHD-Guidingと連携して、自動的にDitheringしながらライトフレームの撮影ができそう。(各フレームごとに位置を少し変えて撮影することで合成画像の質を向上させることを目的とした機能)

あたりは読み取れる。どこまで使えるものなのか、何回かに分けてレビューしたい。

まずこのBACKYARD EOS、買うと30USドル(記事投稿時の換算レートで2400円くらい)と決して高くはないが、せっかく全機能が使える30日間トライアルがあるので、まずはそちらで試してみることにした。

<導入編>


BACKYARD EOSのサイトを訪れ、30-DAY TRIALのメニューから申し込み。



名前と、メールアドレス、カメラ名を入力してsubmitする。
すると数分後に入力したメールアドレスに英文メールが届く。
そのメールには、長ったらしいトライアル用のライセンスキーが含まれているので、これはあとで使う。

メールを待っている間に、ソフトのダウンロードを行なってしまうとよい。


ダウンロードは、メニュー「DOWNLOAD」で開く画面にリンクがあるのでそこから。
セットアップしてしまうタイプと、セットアップせずに実行ファイルの状態で使えるタイプがあるが、どちらでもよい。自分は実行ファイルの状態で使えるzip packageをダウンロードした。

ダウンロード&ZIP展開して、BackyardEOS.exeを起動。初回起動時にはライセンスキーの入力を求められるので、英文メール内にあるキーをコピー&ペーストして登録。



すると、メイン画面が起動してくる。



最初は、暗闇で使うことを考慮した赤暗い画面で起動する。
とりあえず、右上の「DayLight」ボタンをクリックして昼間のモードに画面切り替え。
カメラは、USB接続で、今回まずはAstro60D(Canon EOS 60Dの冷却・天文改造品)をPCに接続して試してみた。
撮影モードはマニュアルモードのBULBまたはBULBモードに切り替えておき、バックヤードイオスのメイン画面左上にあるConnectボタンでソフトと接続。

<撮影編>

撮影を行う前に、ファイル名の設定やファイル保存先などの設定をしてみた。
メイン画面右上の「Setting」ボタンでやれる。



今回は撮影編ということで、「Image Capture」の項目をザッと確認して設定。
やはり、ファイル名には、様々な埋め込み値が用意されていて、これらを組み合わせてある程度自由にファイル命名規則を作ることができる。
また、取得するファイルの種類(RAW/JPEG)はメイン画面ではできず、ここで行うことになるようだ。
ところで、Advance Settingというボタンがあるが、これについては、問題回避のために後述があるのでここでは割愛する。

話をファイル名に戻すが、ファイル名に埋め込むことのできる情報は、おおよそ次のようだ。


ファイル名に使用できるアイテム数は10個(+ユニークキー1個)までで、項目としては14項目が用意されている。そのうち有用そうなものは以下のとおり。
target:撮影天体名(メイン画面で入力した値)
flametype:ライト、ダークなどフレームの種類(メイン画面で選択設定した値)
duration:露出時間(秒)(自動取得)
iso:撮影時のiso感度(自動取得)
temperature:センサー温度(自動取得でfではなくちゃんとc表示になる)(※1)
filter:メイン画面でリスト選択または入力したフィルター名称(ここに鏡筒名などをリスト登録しておくと便利そう)
camera name:カメラ機種(自動取得)
さらに、ユニークキーとして、撮影時のタイムスタンプ(※2)か、撮影シーケンス番号を付け加えることができる。
※1 ノーマル機のEOS7Dでもセンサー温度を取得することができることを確認した。
※2 パソコン内蔵時計を使っている。ファイル生成時点での日時(撮影開始時刻ではない)

【ファイル名サンプル】
M42_LIGHT_2s_200iso_+30c_LPS-P2_20120618-23h52m57s868ms.CR2
※天体名M42のライトフレーム、iso200の2秒露出、センサー温度30度、LPS-p2フィルター使用、タイムスタンプってな内容のファイル名を自動でつけてくれる。

さて、次は実際に撮影するメイン画面について。

backyard EOS

Imagingボタンをクリックすると、上のような撮影制御の画面になる。

1)は撮影設定の項目で、フレームタイプや天体名(TargetName)、フィルター名、初回撮影までの遅延スタート(Delay)の共通設定ほか、それぞれの撮影設定として、露出枚数(Exposures)、露出時間(秒:Duration)、ISO感度を設定できる。これらの撮影設定が最大25セット設定でき、一番上から順にバッチ撮影される。
上記画像の入力例では、1セット目に、ISO400 1秒露出を2枚、2セット目にIS200 2秒露出を2枚撮影する設定としていて、合計4枚が撮影されるという設定。

2)は設定した撮影を実際に行う。Start Captureでバッチ撮影が実行され、全セットが終わると終了する。Loopはバッチ撮影が繰り返し行われるモード。Previewはセット番号1番の設定で1カットテスト撮影する。

3)は撮像の確認に関係するボタン群で、フル画面拡大したり、イメージサムネイルの表示非表示を切り替えたり、プレビュー画面上に格子枠を表示させたりすることなどができる。

次に撮影中の画面。


右上に進行状況のインジケーターとバッチ撮影中断ボタン(abort)がある。
右下にはProgress Centerという枠があり、バッチ撮影終了までの残り時間、撮影残枚数、現在撮影中の露出時間、バッチ一時中断メニュー(Suspend)が配置されている。

Imagingのメイン画面では、プレビュー画像のヒストグラムも確認できて便利である。
必要な情報がコンパクトに納められているし、実に使いやすい。

さて、導入・撮影編の最後として、保存されたファイルがきちんと開けるかどうか確認した。
Adobe PhotoShop CS5に付属しているCamera Raw(6.5)では何の問題もなくRAWが読み込めた。
問題があったのは、ステライメージ(6.5)である。RAWを読ませると、読み込み時にエラーが出てストップ。



そもそもステイメで開くときに最初に出るウィンドウで、リードファイルの露出時間やカメラモデルが表示されるはずだが、そこが表示されていなかったので、Exifが操作されていることはすぐに気が付き、BACKYARD EOSのsetting画面を開いてみてみると・・・ありました。



Advance settingで、標準状態ではExifの追加書き込みをしているようだったので、この動作をスキップさせるオプションをオンにして試してみたところ、今度は問題なくステライメージでも開けるようになった。

さて、EOS BACKYARDの最初のレビューは以上でおわり。
次回は、天気のよい日、星空を相手に、他の機能も試してみたいと思う。

そうそう、BACKYARD EOS(バージョン2.0.0現在)が対応している機種は、ヘルプで見ると以下のとおりとされていたので参考までに一覧しておく。

EOS 1Ds Mark II 1 2 3
EOS 1Ds Mark III
EOS 1D Mark III
EOS 5D Mark II
EOS 7D
EOS 20D
EOS 30D
EOS 40D
EOS 50D
EOS 60D
EOS 350D/XT (EOS Kiss デジタルN)
EOS 400D/XT (EOS Kiss デジタルX)
EOS 450D/XSi (EOS Kiss X2)
EOS 500D/T1i (EOS Kiss X3)
EOS 550D/T2i (EOS Kiss X4)
EOS 600D/T3i (EOS Kiss X5)
EOS 1000D/XS (EOS Kiss F)
EOS 1100D/T3 (EOS Kiss X50)


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