星空つづり

星空・天体写真などの記録を綴るブログ

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2012.03.01 Thursday

流そうか粘ろうか

今日はほぼ独り言モード。

2月中旬に更改したSiriusComp、それ以降すぐさま着手している改修がある。
ところが、ある理由があってまだバージョンアップ版の公開を決め兼ねている。どうしようかと言った感じ。

今回の改修目標としていたのは、天体の日周運動を比較明合成したときの恒星の色不足の件。撮影を始めて間がない人に多い悩みかもしれない。

そもそも、加算合成でもない比較明合成の写真でなぜ色が飛び気味になるのかなんてのは、撮影時に感度上げすぎて撮ってるからというのが結論。
ほなどうするかって・・・絞りを入れるとか、ISOを下げるとかして、単位時間の感度を下げておいて、あとは露出時間で地上景の露出をコントロールするとよい。
カメラのプレビューで恒星が写ってるのか写ってないのかわからないくらいで撮影しても、比較明合成すると案外星は出てくるし色もハッキリする。

画像処理から言うと、同じ対象でも明度がありすぎると彩度が落ちるのは必然で、彩度を上げるためには適当な明度で露出や処理を止めておく必要がある。

とはいえ、星の明るさもいろいろ。とてつもなく明るい金星や木星から暗い星まで様々。
実際撮影していると彩度を上げたくなるのも理解できるし、結果的にそういう処理をする場合もあるかと思う。
フォトレタッチソフトなどで、恒星以外をマスクして彩度を上げる処理を施すことなどさほど難しくはないが、それもできない人はどうする?

そんな長ったらしい前置き的思考が頭の中を駆け巡りながら、結局、星の彩度を上げる仕組みを考えて実装してみた。

「星の彩度」を上げるというからには、画像全体の彩度を単純に上げるということではいけない。
といっても考えた仕組みは簡単で、比較明合成をする過程で、明合成扱いとなるピクセルに対してのみ彩度を上げるという具合。これなら、基本的に光量の変わらない空の背景や地上景の彩度はオリジナルのままでいられる。

ということで、実装してテストしてみたところ、予想どおりの案配だ。

▼彩度強調なしの合成画像


▼実装した彩度強調を使って合成した画像
※地上景に影響なく恒星のみ色強調されていることがわかる


ところで、今回プログラムを改修するに当たって「彩度」って思いの外やっかいなやつだと思った。
RGBカラースペースでは、赤・緑・青の各値を0-255の範囲で表現しているだけで、SiriusCompもこれまではRGBやRGBから計算するL(明度)だけを相手にしてれば良かった。
彩度を変化させるとなると、RGBカラースペースのままでは単純に操作できない。そのため、SiriusComp内部でHSV(色相・彩度・明度)スペースに一度変換して彩度を操作した後、RGBに再変換して合成処理を行うという手間が必要となった。ともあれ、このロジックを組み立てるに当たりいい勉強にはなった気がする。

▼彩度強調を実装中の開発画面


さて、なんで公開をためらっているかなんだが・・・
合成した画像の「星の切れ目」も独自な方法でどうにかなるんじゃないかと思い出したため、思考段階で止まっているからなのである。

星の切れ目については、ステライメージ6.5から実装された比較明合成のバッチコマンドが、割合うまく解決している。連続した2枚・3枚あたりの画像を単純加算して、それを一つの単位として比較明合成するという手法だ。実際やってみると、加算合成する分全体が明るくなるが、レベルのハイライト側を加算枚数で割った値で切り詰めるとバックグラウンドのレベルはオリジナルの状態にほぼ戻り、星の切れ目は結構フラットになっている。結果は良好だ。
頭の中ではどう考えてもすんなりこの結果になるとは思えなかっただけに、よくこの結果に気がついたもんだと感心する。
注意点としては単純加算する枚数を増やしすぎたり、後処理を誤ると見栄えの良くない画像になる。どのみちステイメの場合は後処理は必ず必要なので、とりあえず比較明合成で星景写真をやってみたい人には敷居が高いと思われるかもしれない。

では、SiriusCompはどうするか? 星の切れ目問題、さほど本気で扱う気はしないのだが、もし扱うとしても、同じ方法をとるわけにはいかないし、同じやるなら新しいアイデアを持ち込みたいところ。
処理を必要以上に重たくしたくもないので悩ましいが・・・あれこれ考えてはみるものの・・・まだまだ悩みは続きそうだ。


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