星空つづり

星空・天体写真などの記録を綴るブログ

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2008.11.29 Saturday

地球観測衛星NOAAの画像を受信する

ちょっと最近、天体と電波についてその関係の観測やら興味をそそる話題がないかと探索していて、比較的容易な以下の2点について実施したいと思った。
・人工衛星信号の受信
・流星電波観測

まずとっかかったのは人工衛星信号の受信。
天体といえば星とか惑星などを思い浮かべるのですが、人工衛星も立派な天体というわけで、今回は学生の頃にやっていたアマチュア無線時代を思い出しながら簡単なところでアメリカの地球観測衛星ノアの信号を受信し、画像化してみた。

とはいっても、ちゃんと画像化ソフト(WXtoIMG)も無料配布されているので、信号さえ受信してしまえば簡単だ。
まずは、信号のキャッチ。
ノアは現在、15、17、18号の3基が運用されながら周回軌道を飛んでいる。日本上空には毎日何度も現れるので、現れたタイミング(長くても10分程度)で信号を受信する。
受信装置には、受信改造された2m(144MHz帯)の無線機やら、オールバンド受信機を使い、アンテナには出来るだけ利得の高い144MHz(モードはFM)帯のものを取り付ける。私はとりあえず移動用の1/2λ(2分の1波長)のホイップアンテナでやってみた。何もないところからはじめた場合、これらをそろえて経費は3万程度といったところだとうか。

私の受信設備一式(移動用)


次にその受信音をパソコンにマイクやライン入力を使って取り込む。
最後にソフトウェアで画像化する。
まぁこんな感じだ。とはいっても、これらを同時にかつ人工衛星が上空に来たときだけ自動的にソフトがやってくれるから、一度セットアップしてしまえばパソコンつけっぱなしでOK。勝手に画像が手に入るってことになる。
ただし、3基の衛星の発する電波の周波数が異なるため、安価な受信機では手動で周波数を変更するか、受信すべき衛星を固定(ソフトウェアで指定できる)してしまう必要がある。固定するならノア18号がお勧めだ。経験上だが、18号は信号が安定して、最も画像がクリアーに取得できているからだ。

ノア18号から取得した画像
noaa18号画像

これらのノウハウは特に自己取得したわけではない。いろいろネットでも情報はあがっているが、やってみたい人はとりあえず、もっと詳細でやさしく書かれたJaxa教材(pdfでダウンロード可能)があるので、参考にしてはどうだろうか。

http://edu.jaxa.jp/materialDB/detail.php?material_id=78645

また、自宅PCでのNOAA15号受信の様子を3分ほどのWindowsMediaビデオにしているので、どんな感じなのかをつかみたい人はどうぞ。

これで・・・ネット環境のない天体観望中の山奥でも気象画像が手に入る?

その他雑感:
今回アンテナには1/2λホイップを使って取得した画像を添付したが、自宅(固定)用には立派なオールバンド対応のディスコーンアンテナをベランダに上げているが、オールバンドであるからなのか利得があまりないようで、移動用ホイップのほうが感度よく受信できる。どちらも無指向性なのだが、ホイップのほうがバンド専用に作られている分、利得がよかったのだろう。
ホイップは今回新調したもので、次にチャレンジする流星電波観測でもつぶしがきくように6m(50MHz帯)と共用できるコメット製のデュアルバンドホイップを入手した。
ただ、流星電波観測にはやはり指向性のあるビームアンテナでないと駄目かもしれない。

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