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2023.12.31 Sunday

新システム:天体撮影軽量機材構築のまとめ

先日から軽量化を目的とした天体撮影機材の再構築を行ってきたが、とりあえず計画どおり完結したので自分の覚えのためにまとめておく。

 

まずは今回の基本的条件

・光害のある自宅の軒札撮影を楽しむことができる(ナローバンド撮影対応)

・メインカメラをモノクロ冷却カメラとする(フル画素の解像感を得る)

・鏡筒は軽くて、性能やその他の組み合わせ相性の良いものを選ぶ

・赤道儀を含めて機材一式の全体重量をできるだけ軽く抑える

・観望会での眼観や電子観望にも対応できる

・機材セッティングや撮影までを容易に行える

 

これらの条件をできるだけ満たすために相当情報収集を行ったつもり。

完成した機材一式の状態は次のとおり。

 

 

【機材一式の仕様詳細】

------------------------------------------------------------------

★【主鏡筒】

<タカハシ FC-76DCU>

形式    フローライト アポクロマート    口径    76mm
焦点距離    570mm    口径比    1:7.5
鏡筒径    80mm    鏡筒全長 656mm
質量    1.9kg
対物ユニット側    全長335mm 質量:900g    接眼部ユニット側    全長329mm 質量:830g
ファインダー    6倍30mm    対応鏡筒バンド    80QS

※マルチフラットナー装着時
焦点距離    594mm    口径比    1:7.8

<補正レンズ・アダプター類>
・カメラ回転装置S <KA21200N>
 接続規格:M55.9 P=0.75
 光路長:12.3mm(M55.9メス奥胴付面から)/ 約20mm(鏡筒側端面から)
 質量:110g
・FC/FSマルチフラットナー1.04×<KA00582>
 光学系        1群2枚
 最大径×全長        60mm×40mm
 ネジ規格        鏡筒側:M55.9 P=0.75 メス
 マルチCAリング側:M52 P=0.75 オス
 質量        110g
・マルチCAリング76<KA18203>

<鏡筒バンド・プレート類>

 MORE BLUE 社製
 TB002-内径60mm 超軽量化設計鏡筒バンド/本体重量 184g
 AU002-VIXEN規格 220自在アリガタ 20mmピッチ穴開タイプ /本体重量 175g

 

★【赤道儀】

<ZWO AM3> 波動駆動(ストレインウェーブギア)赤道儀

架台モード    赤道儀モード/経緯台モード
駆動系    ストレイン・ウェーブ・ギア(波動歯車装置)+シンクロナスベルト(減速比・300:1)
ピリオディックモーション    <±20″(周期:288秒)
赤経駆動    NEMA35ステッピングモーター Model No.14(減速比・100:1)+ブレーキ
赤緯駆動    NEMA35ステッピングモーター Model No.14
搭載重量    8kg(カウンターウェイト未使用時) / 13kg(カウンターウェイト使用時)
本体重量    3.9kg
緯度調整範囲    0°-90°
方位角調整範囲    ±10°
アリミゾ規格    ロスマンディ/ビクセン互換(デュアル式)
BWシャフト取付規格    M12
モーター解像度    0.17秒
最大駆動スピード    秒間6°(対恒星時1440倍速)
駆動速度    対恒星時:0.5×/1×/2×/4×/8×/20×/60×/720×/1440×
外部電源ポート    DCプラグ(外径:5.5φ-内径2.1φ)/入力:12V-3A
消費電力    12V-0.386A(スタンバイ時) / 12V-0.58A(恒星時駆動時) / 12V-1.7A(自動導入時)
オートガイド端子    ST4互換(SSAG)
外部インターフェース    USB/Wi-Fi
ゼロポジション    機械式
適応温度(使用時)    -15゚C〜40゚C
瞬電保護    有り

<TC40 カーボン三脚/専用三脚>
重量2.3kg/耐荷重50kg/折りたたみ時の長さ500mm/展開時高さ470mm〜800mm/段数2

<延長ピラー:AM5・軽量用ハーフピラー PE160>
高さ 160mm /直径 124mm/重量 1kg/85mm径アタッチメント方式
※搭載可能重量13kgまで用のハーフピラーです。(安定性上、10Kg程度までを推奨)

 

★【統合制御】

<ASIAIR Plus>
電源:入力DC12V/出力:DC12V×4(1系統最大3A。4系統合計で最大6Aまで)
本体重量:131g

 

★【ガイドシステム】
●鏡筒:Asker FMA135 /口径30mm/焦点距離135mm/口径比F4.5/フラットナー内臓6枚レンズ構成(うち一枚EDレンズ)/鏡筒長113mm/バックフォーカス55mm/重量約370g(本体約280g、台座約90g)

●ガイドカメラ:ZWO ASI678MC
 CMOSセンサー     Sony 1/1.8 "CMOS IMX678
 解像度     3840×2160 : 829M Pixel
 ピクセルサイズ     2.0×2.0ミクロン
 露出時間     32μ秒〜2000秒
 ゼロ・アンプグロー    対応
 QE(量子効率)     83%@450nm
 飽和電荷容量     11.27Ke
 フランジバック     17.5mm(6.5mm)
 シャッター     ローリングシャッター
 保護フィルター     ARコーティングフィルター
 対応OS     Windows7,8,10 32&64/Mac OSX/Linux
 インターフェース     USB3.0
 ビットレート     12bit出力(12bitADC)
 接続規格     31.7mm/T2(M42mmP=0.75mm)/50.8(※差し込みしろが短いため非推奨)
 サイズ     最大外径62mm/全長35.5mm(※31.7ノーズピースを含まず)
 重量     126g
 動作可能温度     -5゚C〜50゚C
 保管温度     -10゚C〜60゚C
 動作可能湿度     0%〜80%
 最大転送レート     47.5fps
 ROI     可能(※ROI=Region of Interest:撮影領域の選択)
 オートガイド対応     可能(SSAG・ST-4互換)

 

★【撮像カメラ】

<カメラ:ZWO ASI533MM Pro>
 センサー        Sony IMX533 1"CMOS
 解像度        3008×3008 (904M Pixel)
 ピクセルサイズ        3.76×3.76ミクロン
 A/Dコンバータ        14bit
 露出時間        32μ秒〜2,000秒
 ゼロ・アンプグロー    対応
 撮影領域の選択        可能
 オートガイドポート        無し
 フランジバック        17.5mm
 接続規格        USB3.0 Type-B
 冷却機能        二段ペルチェ冷却 / 外気温より40〜45℃
 電源        12V 最大3A
 大きさ        最大外径78mm
 質量        約410g(本体)

 

<ZWO 電動フィルターホイール EFW-7×36II>
対応フィルター        φ36mmフィルター
フィルター取付数        最大7枚
光路長        20mm
本体ネジ        両側M42P0.75メス
PCとの接続端子        USB2.0 Type-B
質量        約400g

<ZWO LRGB フィルターセット φ36mm>
枠なしタイプ

<ZWO ナローバンド(7nm)φ36mmフィルター(Hα/SII/OIII)>
枠なしタイプ
--------------------------------------------------------------------------

 

鏡筒や撮像カメラ&ガイドカメラ系は、組み合わせにより様々な写野に対応できるように選択した。過去にはワイドレンジに重きを置いた構成を使用していたが、そこそこ飽きたので、中レンジ〜長焦点イメージに対応できる組み合わせができる構成をとった。

そのため、Asker FMA135というガイド鏡筒は135mm(F3.5)という短焦点ながら光学性能的には優れたものを選定。ガイドカメラ(ASI 678MC/800万画素程度)も超小型のチップサイズながらもアンプグローのない高仕様なCMOSカラーカメラを採用することで、電子観望向けの中レンジに使用でき、FC-76に装着すれば、フルサイズ比較の写野で約5倍となる焦点3000mm相当の長焦点レベルの対象にも対応できるものとした。

 

さて、余談だが、実は気に入っているものがある。

今回、鏡筒専用タカハシバッグをスターベース東京さんから調達したのだが、FC-76DCUのおすすめサイズよりワンサイズ大きいMサイズとした。これがドンぴしゃだった!

カメラも外す必要のない・・いい感じに収まってくれたので、セッティングや撤収も素早くできそう。こういう細かいことが嬉しい。

 

 

これらのシステム一式・・・鏡筒、撮像カメラ、ガイドシステム等含め赤道儀に乗せる機材一式の重量は4.3kg程度。

赤道儀(ZWO AM3)はカーボン三脚や延長ピラー含め7.2kg程度。

合計は12kg未満でまとめることができた。赤道儀の脚を持てば一式まとめて軽々運べる重量だ。

 

とはいえ、ポータブルバッテリーが10kg近くあるので、機材合計は22kgとなった。

EM200 Tennma2 赤道儀やFSQ-85EDおよび発電機を使用していた以前使用していたころに比べれば、一式1/3程度の重量で収まったことにはなるが、大きな要因には、赤道儀が搭載重量8kgまでならウェイトレスで運用できることも寄与している。

 

またポータブルバッテリーの容量(最低10時間稼働)にもかかわる消費電力も、夜露対策ヒーター2本、カメラ冷却も含めて計算どおりの範囲内で落ち着いてくれている。(以下の写真は恒星時追尾状態、天体導入時は赤道儀に12Wほどプラスされる)

カメラ冷却ON&恒星追尾の定格レベルで28Whの出力のこの感じだと、14時間くらいは全然持ちそうだ。

 

 


2023.12.27 Wednesday

ポータブルバッテリー BLUETII EB70S

天体機材を一新したのに合わせて、ポータブルバッテリーを新調した。

これまでは、車載サブバッテリーや発電機を主に使用していたが、最近では取り扱い安全性が向上し、再充電回数も格段に向上したポータブルバッテリーが比較的安価に手に入れられるようになった。

 

最新型もよかったのだが、自分的に仕様的に満足のいく BLUETII EB70S を購入。

年末セールで25%OFFも手伝って、5万も出さずに済ますことができた。

 

 

BLUETII EB70S 基本仕様

・容量716Wh

・最大出力800W

・0%->100% ACフル充電3.5時間、12Vカープラグ(車載充電)&太陽電池パネル充電可能

・出力ポート:DC12Vシガー x 1, DC12Vプラグ x 2, USB Type-A x 2, USB-C x 2, AC100V x 4(純正弦波), ワイヤレス充電 x 1

・LEDライト(高、低、ハザード切り替え)付き

 

ポータブルバッテリーも容量や仕様が様々だが、天体機材用途として考えた場合まず一番は、機材一式の消費電力とどれくらいの時間の稼働が必要かという点との相談。

オーバースペックすぎても、重たいだけのバッテリーでは機動性が落ちる分無駄になる。

自分の機材(赤道儀・冷却カメラ・レンズヒーター・その他)の合計値では、一時間当たり最大12V-5A(つまり60Wh)が最大値として必要と見積もったので、一晩10時間を稼働させる想定とすると、容量の目標値は最大で600Whとなる。今回のEB70Sの容量は700Wh程度あるので、定格レベルでは全然余裕があるくらいの仕様だ。

ASIairのおかげで、自分は現場でノートパソコンを使用しないのでこの程度で済む感じだが、ノーパソの電源(50Wh程度)を賄いたい場合は、電源の容量は倍程度あったほうがよいだろう。

 

 

 


2023.12.20 Wednesday

電動ホイールフィルターのセットアップ

先日から数日、開封をあきらめていた電動フィルターホイール ZWO EFW 36mm径枠なし7枚セット可能タイプを開封する時が来た。

というのも、メイン鏡筒や鏡筒バンドが本日着となったため。

まずは鏡筒様から。軽量機材システムを求めて今回は、Takahashi FC-76DCUを調達。もちろん回転装置やフラットナーなども同時購入。とりあえず組み立てて主焦点で眼見やC-MOSカメラの接続ができるかどうか接続系をチェック。

 

 

ファインダーを取り付け、別途購入したMOREBLUE社製の鏡筒バンド+VIXEN互換アリ型プレートを取り付ける。

 

 

MOREBLUEのロゴがかっちょええ!

 

 

赤道儀AM3にFC-76DCUを主焦点の眼観モードで取り付け。

 

 

さぁ開封を延期していた、撮像用メインカメラとEFWとフィルターたちを準備。

※撮像用メインカメラは モノクロ冷却のASI 533-MM Proを購入したのだが、この時、ショップから届いたものがカラー仕様の533-MCだったことに全く気付いていなかった。(後日交換対応してもらった)

 

 

ほれほれ、ちゃんと型番見ねーと!

 

 

EFWの本体と添付品一式。アメリカンサイズのノーズも付いているので差し込み利用もできそうだ。

ねじ回しも添付されているのだが、こいつが日本の100均以下のガラクタ性能。ネジ谷よりグスグスで使えませんでした。

なので、精密ドライバーセットを別途準備してフィルターセット開始!

 

 

まずは数本のネジを外してEFW本体を真っ二つに。

 

 

フィルターホイール番号の若い順から L / R / G / B 続けてナロー系の S / H / O の順にセットしていった。

とにかく手垢や傷をつけないよう細心の注意を払って7枚のフィルターを取り付けた。

 

 

ときどき埃が付くのでブロワーでぶっ飛ばし。

 

 

フィルターを取り付ける際に注意したいのが、裏表があるということ。上の写真のようにドライバーの先端が「クッキリ」していて、像のダブリや淡いゴースト像が一切なければ、その面がカメラ側になるようにフィルターホイールにセットすること。

 

 

はい。これで7枚全部取り付け完了。最後に眼鏡クリーナーでササっときれいに仕上げて完了

 

 

CMOSカメラを直接ねじ込んでみたで。

次はホイールの制御確認。

 

 

ASIairにUSB接続して、ホイール番号(フィルター名)を指定して、指定フィルターにきちんと切り替わるかどうかチェック!

 

よし、あとは鏡筒に取り付けて撮像テストじゃな。今日は曇っとるからここまで。

 

 

 


2023.12.10 Sunday

Asker FMA135 小型鏡筒 と ASIAIR PLUS 開封

今日は 小型鏡筒 Asker FMA135 の開封と状態確認、そして ZWO ASIAIR PLUS の開封と接続が目的。

 

Asker FMA135 は手のひらサイズの超小型鏡筒。

口径は30mmとファインダーなみ。焦点距離は135mmでF4.5となる。

本格的な撮影には使用するつもりはなく、利用用途としては、ガイド用、そして手軽な電子観望用である。

装着カメラは、小さなチップながら800万画素オーバーでしかもセロアンプグローのカラーCMOSカメラ ZWO ASI678MC。FMA135との組み合わせでガイドも電子観望もベストマッチ。事前のシミュレーションでは、アンドロメダ銀河がちょうど画角の対角にピッタリ収まるイメージである。

 

さて開封。

 

 

 

小さな割には、EDレンズ一枚を含む対物側はレンズ3枚構成のアポクロマート鏡筒で、さらに3枚構成のフラットナーも接眼側に組み込まれていて仕様的には本格的。

ピント機構はヘリコイド方式で小さなロックネジもついている。ピント調節による鏡筒の伸び縮みはない。

 

接眼用のアダプターもついていて、眼視用にアメリカンサイズのアイピースもしくは1.25"ノーズのあるCMOSカメラを突っ込むことができる。

 

 

取り付け台座も付属しているが、こちらはファインダー台座に取り付けるアリ型となっている。単独でビクセン互換のアリ溝にはめたい場合は、ZWO ASISIRの台座をファインダーアリ溝台座に取り付けるパーツがあるので、そのパーツごとビクセン互換のアリ溝に無理やり挟み込むことができる。

 

 

この形で観望してみると、星像は見る限り非常にシャープ。

15mmのアイピースを入れても倍率10倍にもならない。印象は上等な双眼鏡を片目で覗いてる感じだろうか。

 

さて、次は ZWO ASIAIR PLUS の開封。

ASIAIRは言うまでもなく、WiFiで接続できる赤道儀・撮像の統合制御装置と言ったところだろうか。PCレスで、専用のアプリでスマホやタブレットからの制御となる。存在は知っていたが今回初めて導入することにした。

 

 

Plus は以前のPROとその仕様を比べると、一回り小さく軽くなっていることと、WiFiがよく飛ぶように外部アンテナが付いたことくらいが違いらしい。

撮像データはどうせTFカード(MICRO SD-CARD)に保存するので、今回は本体のストレージは32GB仕様のものを調達。

 

 

同梱品には、USB3.0ケーブル一本に加え、4本もの12Vケーブル。写真でもわかるが、ASIAIRの側面には4口の12Vアウトプットがあり、その接続用らしい。

ちなみに、ASIAIRの12V-outputには1-4番の番号が振られていて、デフォルトでは出力されない。専用アプリで出力設定をして初めて使えるよになる。

注意したいのは、4口合計出力が12V-5Aという点。メイン撮影用のCMOSカメラが冷却仕様の場合は、それだけで3Aくらい必要なので、冷却カメラの電源はこちらから取らずに、別電源をお勧めする。

とりあえず、赤道儀への電源供給くらいには使っても問題ないだろう(AM3の場合は導入時最大1.7A)。また、夜露対策ヒーターを接続して使うとよいかもしれない。ヒーター用にアプリから強弱(出力)を制御できる便利な機能もある。

 

 

最初にASIAIRはWiFiでと言ったが、Ethernetポートも備えていて有線LANへの接続も可能となっている。

USBは3.0仕様が2ポート、2.0仕様が2ポートある。

撮像データが転送されるメインカメラとガイドカメラをUSB3.0に、電動フィルターホイールや電動フォーカサーなどは2.0につなぐとよいだろう。

 

 

明るい次の日に、AM3赤道儀にAsker FMA135を取り付け、さらにASI678MCカメラを装着。ピントチェックを済ませておいた。

夜になって、ASIAIRを経由して、専用アプリでテスト的に撮像。

すべての機能を試してはないが、カメラを使った極軸合わせ、星図による赤道儀制御(天体導入)、ピント合わせ、フィルターワーク、ガイド、撮像など、すべて専用アプリでこなせるので、なかなか手軽そうだ。

 

 

今日はここまで。


2023.12.08 Friday

赤道儀 ZWO-AM3 開封

トータルを軽量機材でまとめようとシステム一式を順次そろえているところだが、今回は赤道儀やカメラを中心として調達。

赤道儀は中国製だが最近人気のZWO-AM5/3を購入。軽量目的なので軽い方のAM3とした。専用の三脚も同時に。

天体導入・撮影やガイドなどのパソコンレスを目指してASIAIR Plusも。

CMOSカメラは、モノクロ冷却の ZWO ASI533MM、電動フィルターホイール(EFW7)、フィルターはSHO,LRGBの七枚。

ガイド用&ワイドフィールド撮影用に小型鏡筒 Asker FMA135 を。

その他金具や電源ケーブル類を調達した。

 

一気にすべて開封してテストして使い慣れるにはそれなりの期間が必要そうなので、順次開封し、セッティング方法、動作テストなどを行う予定。

 

今日は、まずベースの赤道儀 ZWO AM3 を組み立てて単体での動作チェックまでが目標。

 

最初に三脚。

 

 

とりあえず展開した状態。脚は二段式で伸縮し伸ばし切った高さが80センチくらい。カーボンファイバー製でとても軽いのだが、延長脚を固定する回しの部品がプラスティックなので長年の使用に耐えうるかどうかは疑問かも。

また、同じ理由で、三脚の股が閉じないように安全固定させる部分もプラスティック・・軽いのはいいけど大丈夫かなぁ。

 

 

次に延長筒(ピラー)の取り付け。延長筒には二種類あって通常のものと、軽量タイプのものがある。重量はさほど乗せるつもりはないので、今回は軽量タイプで調達。

 

 

延長筒は組み立てる必要があるのだが、組み立て説明書(英語/中国語)が簡便すぎて少し悩みながら組み立て。

 

 

こっちはなかなか いい作りをしている印象。クランプ類も非常に質感があってスムース。

 

さぁ最後にマウントの開封と取り付け。

 

 

AM3もAM5同様に専用ケースに入った状態で箱に入っている。

印刷された日本語マニュアルは付属しないが、ネイチャーショップKYOEIさんが製作されているマニュアルの取得方法が記載されたガイドブックが付属している。また、赤道儀個体の品質チェック結果として、モータの周期的な安定度(非安定度)を示すピリオディックモーションの測定表が入っていた。保証の有無や、そもそもの仕様、技適の表示すらないものなど、なにかと不安になる中国製が多い中、こいういうのは中国製とは思えない配慮でよいことだ。

 

 

AM3赤道儀本体の取り付けには、三脚付属の円形プレートを底面に取り付け差し込み、クランプで締め上げて完了。

とにかく軽い。そのくせ、ウエイト・レスで8kg(AM5は13kg)、ウエイト軸(別売)を入れて適正なウエイトで運用すれば13kgまで(AM5は20kg)の積載が可能とのこと。ウエイトが必要ない範囲なら、これほど気軽な赤道儀はないかもしれん。

 

 

付属のハンドコントローラーはまるでゲーム機のコントローラみたい。

写真ではわかりにくいかもしれないが、最上部にジョイスティック、真ん中にトラッキングのON/OFFボタン、その下にキャンセルボタンがあるだけ。

 

赤道儀本体の電源ボタンは背面に銀色のスイッチがあるので、オン!

ジョイスティックを一度押し込むと高速モードで最大1440倍で動作するらしい。デフォルトの低速モードでは最大8倍まで。

ジョイスティックの倒し込み量で速度が変わる仕組み。赤道儀モードでは、左右が赤経側モータ、上下が赤緯側モータの制御となる。手元を見なくても操作できるのはいいかも。

 

実際に最高速で動かしてみるとそのスピードは快適で、さらにモータ音もタカハシEM200の様な感じ。甲高いリニアな駆動音で全くうるさく感じない。

 

電源を切る前にホームポジションに戻すことが推奨されているこの機種。コントローラでは一番下の(駆動)キャンセルボタンを3秒ほど長押しすればホームポジションへ向かう。

 

スマホアプリでは、ASI Mount が提供されていて、AM3とは、BluetoothかWiFiで直接接続可能だ。

実際にアプリをスマホに入れて制御してみたが、とても使いやすいアプリで感心した。

ちょっとした観望会で、赤道儀単体で持ち出して、スマホから ASI Mountの星図で天体を指定して導入する際には必須になりそうだ。ありがたいアプリだ。

 

今日の開封&赤道儀動作確認はここまで。

次はASIAIRとの接続あたりかな。


2023.12.01 Friday

CMOSカメラ ZWO ASI678MC 開封

ZWO の ASI678MC CMOSカメラを、ガイド用・電子観望用・お手軽撮影用の多目的用途として購入した。

678MCは、Aサイズ用紙の比率よりも長辺の比率が大きい横長長方形のSONY製裏面照射タイプのチップを搭載して、結露防止はないもののゼロアンプグロー(昔のデジイチの赤かぶりのようなものが出ない)仕様。最大のQE値が80%を超えるそこそこ基本性能のいいカラーカメラ。

焦点の短い鏡筒でも、そこそこ大きく対象を映し出すことができる小型センサーが欲しくて購入した。

 

< ASI678MC 仕様概要 >

センサーサイズ: 1/1.8" (7.7mm x 4.3mm)

換算焦点距離:x4.9 ※フルサイズ比較

ピクセル数:3840x2160(829万画素)

記録ビット:12bit

フランジバック:12.5mm

FPS:47.5

※HCGモード搭載

 

早速開封のみ実施。

 

 

今回は撮影にほぼ必須のUV/IRカットフィルター(31.7mm径/アメリカンサイズねじ込み式)を同時購入。

カメラ本体のほかには、USB3.0ケーブル、ガイドケーブル、31.7mmノーズが付属。カメラには、望遠鏡がなくても単体で撮像できるよう魚眼に近い超広角レンズが取り付けしてある。

 

 

とりあえず屋内での動作確認として、ZWOのサイトから落としてきたカメラドライバーと、撮像などを行うASI-Studioを落としてPCにインストール。レンズのついたままのCMOSカメラを付属のUSBケーブルで接続してプレビュー画像を取得して確認完了。

 


本体付属のレンズを外し、この31.7mmノーズに差し替えればすぐに望遠鏡の接眼部に差し込んで使える。

 

使用レビューはまた後日。


2021.02.25 Thursday

pcバッテリーの交換ーASUSのUX21E

昨日win7->win10にした10年前のPC ASUS-UX21E 今見ても斬新な超薄型ノートPCです。

クロムメッキの鈍い輝きがっこいいです。

機能確認したら、この頃で出したSSDとintel CORE i7でwin10でもサクッと起動し、OSを少し操作する感じはもたつく様子もなく駆動していました。

ただ、内蔵バッテリーのリチウムイオン電池が全く充電できないほどになっていたので、今回換装することにしました。

 

まぁこのPC、去年結婚した娘が高校〜大学時代に使っていたもの。その後上京した娘のこのPCはずっと使われていませんでした。

娘が今度帰省するので、PCを使えるものにして持って帰ってもらえるつもりでの準備です。

 

AmazonでこのPCに対応しているバッテリーを8000円ほどで発注、また工具には星型ドライバーが必要なので一緒に購入

 

 

まずはPCを裏返し、星型ドライバーを使って10箇所あるネジを外します

 

 

これで裏蓋は完全に取れました。

写真にある下3分の2ほどの黒いものがバッテリーです。

 

こいつは精密ドライバーの+を使って5箇所外します。

 

バッテリーは左上のコネクタだけでつながっています。精密ドライバーのマイナスで横から少し浮かしながら紐を上に引っ張れば、簡単に抜くことができます。

 

 

 

あとは新しいバッテリーを装着します

まずはコネクタをはめましょう。

上からパリッと押さえ込むだけです。

 

 

バッテリーの固定ネジ5本、裏ブタ10本を戻せば完成です。

 

バッチリ充電してくれてます

 

 

ちなみに今回使った星型ドライバーのサイズはT5です。


2016.03.17 Thursday

Canon EF-M 22mm F2.0 STM

以前現場に置き忘れてしまったEOS-M。先日キタムラさんでボディ10Kほどであったので即入手。
置き忘れEOS-Mの遺品レンズ EF-M 22mm F2.0 を取り付け久しぶりに使ってみたが、デカい一眼レフよりフットワークいいのは助かる。



F2.0開放で思いっきりボケ効かせてそのあたりを撮りまくり。
まずは、先日いただいたお花さま。

この画像ではわかりにくいが、ISO-1250(AUTO)だと若干ノイズが気になるな〜。特にぼけてるところなんか。

次は別の日に海岸で撮ったもの。まぁこんなもんかな。


2016.01.08 Friday

夜露対策 レンズヒーターの製作

昨年、小型双眼鏡やレンズ一本、コンデジ、フィルター類などカメラの細々した用具を入れたケースを、撮影現場に忘れて戻ったとき(二週間後)には当たり前のようになく、不自由したのだが、とりあえず、夜露対策のレンズヒーターを確保しないといけないシーズンとなった。

一緒に無くしたヨコタさんヒーターもよかったんだけど、今回は自分で作ってみた。
まずは、ホームセンターで250円程度の100V-600Wのニクロム線を購入。熱実験だ。



実際の使用電源の想定と同じモバイルバッテリーと同じ5Vを流し、クリップのはさみ位置を動かしながら、ほんのりいい感じに暖かくなるかどうかやってみる。



ニクロム線100V-600Wということは切らない状態での計算値抵抗17Ω程度。
消費電力のことを考えて、できるだけ短くカットして、適当な熱量を出せる電流を流したい・・ということで。

レンズに巻くきやすい長さとして、元々の6分の1程度(伸ばすと約1m)を使うことに。これで抵抗値3Ω程度だ。
テスターで実測してもほぼ同じだった。
電流抑制のための10Ω抵抗を一本入れて、電流をおよそ300mAとし、再び5Vを流して熱テスト・・よさそうだ。
これなら、小さなモバイルバッテリーでも数時間、しっかりしたやつなら一晩いけるぞ。



巻き付けも面倒なので、今回はレンズフードにビルトイン! このレンズ専用品だわ(笑



格好良く?コネクタ接続加工をし、さらにUSBコードも作って出来上がり。



最後は冷凍庫に突っこんでテスト。



キンキンに冷やして、たまに息を吹きかけて曇らしてみては、また冷凍庫へ。
大丈夫だ。

これならナンボでも作れるわ。
 

2015.04.01 Wednesday

タカハシ赤道儀EM200のケーブル作り

ガイド鏡とカメラ以外、ぜんぶ借り物機材一式。
em200 temmma2
とはいえ、撮像するには、ケーブル類をアレコレしないといけないということで、できるだけお金をかけずに揃えたい。
タカハシのケーブル類は目玉が飛び出るほどエクスペンシブなんで、やっぱここは自作なん。
作るのは、PC接続ケーブルとオートガイドケーブルの二本。


市内のパーツ屋に行って物色。
ちょうど、EM200最高速駆動に使える2Aちょいの24VのACアダプターが3千円しないものであったのでお買い上げ。
ケーブルパーツは・・
PC接続用として、4芯ケーブル3m、D-sub 9pinメスコネクタ、mini DIN 4pin オスコネクタ
ガイド用として、両端RJ-11コネクタ6極6芯インターフォンケーブル、mini DIN 6pin オスコネクタ
を購入。


ネットでピンアサインの情報を集めて、再整理。

EM200ピンアサイン
まずはPC接続ケーブルから作成。
買ってきたケーブルの両端導通確認して線の対応をチェック。片端にパソコンのRS-232Cポートに接続するD-Sub 9pinを、もう片端にEM-200 Temmma2 RS-232C に接続するmini DIN 4pinを取り付け。


ほれ、できた。

次に、オードガイド用ケーブルの作成。
ガイドカメラ側はRJ-11のST-4互換端子なので、インターフォンケーブルの片端はそのまま使用。
もう片端を切り落とし、結線導通対応確認後、ピンアサインどおりに mini DIN 6pinを取り付け。
ほれ、これもできた。

んで、パソコンやらガイドカメラやら赤道儀に取り付けて室内で動作確認。
いつも使っている星図ソフトThe SKY6でEM200赤道儀を指定し、ポート通信速度19600にて通信。
同期やら導入やら...ちゃんと動くやん。

ガイドは、PHG-Guidingから、マニュアルガイドを選択し、東西南北のボタンでガイド補正信号を出させて、星図上でRA/DECが正しい方向に動くかどうか確認...ちゃんと動くやん。

というわけでケーブル類2本を純正で揃えると2万円以上かかるところを、3000円以内で済ませることができた。

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